皆さんにも、まずは拍と拍子がどういうものなのか、どういう違いがあるのか理解していただきたいです。
拍は、一定の間隔で打たれる刻みのことです。皆さんの心臓の鼓動が概ね一定であることと同じです。いきなり速くなったり遅くなったりしたら大変なことになってしまいますよね。一定のテンポを持続できる力をつけましょう。
拍子は、一定周期のアクセントを持った拍のまとまりのことです。
アクセントとは、その音を目立たせたり他と区別をつけることであって、あくまでも「強く」という意味ではありません。そして拍子には、主に1拍目にアクセントがつきます。
皆さんは拍子と言われて何拍子が浮かびますか? 2拍子、3拍子、4拍子、拍子はこれらが基準となっています。まずは1拍目を感じ取れる練習をしていきましょうね。
日頃、「4分の4拍子は1小節の中に4分音符が4個入っていることだよ」と生徒に教えてしまいますが、いかに語弊があることに痛感しました。もちろん間違いではなく楽譜上にもそう記してありますが、それは単なる1拍の基準となる音符を記しているだけです。それよりも大事なことは「4つの拍でひとまとまりの曲だよ」ということです。「拍子は感じるもの」ということを改めて気づかされました。
皆さんがよりよい音楽を楽しく学び、経験できるように私も学び続けて参ります。
講師 増谷