こんにちは。
先日は楽典グループレッスンを受講いただき、ありがとうございました。どのグループも真剣に取り組んでいる姿が見受けられ、指導者として嬉しく感じました。
今年度に入ってまた勉強会?と疑問に思われた親御様や生徒さんもいらっしゃると思います。楽典やソルフェージュの勉強を行うことで、演奏能力が高まります。例えば、拍子感やリズム感が乏しい生徒さんは譜読みに時間がかかるでしょう。それを克服することで生徒さんは少しずつ譜読みが早くなり、譜読みに対する姿勢も変わっていくのではないでしょうか。また、指も回り、強弱も自分で付けられるけど表現力がもう一歩…のような生徒さんには、例えば響きの変化に耳を慣らし、それに反応する聞く力を育てていきます。
先日、ある先生が、ちょうどこのようなことをおっしゃっていました。「楽典は座学で行うだけでは意味がありません。体感、そして演奏に繋げましょう。」と。その通りですよね。例えば「半音、全音」という言葉を覚えても、それだけでは響きに接したことにはなりません。極論、幼い生徒さんには言葉は教えずに響きの変化に気付かせるだけで問題ないと感じます。
残念ながら50分という短い授業では、大事なところをピックアップして指導するほかなりません。今後の個人レッスンでも、生徒さん一人ひとりの様子をみて適宜取り入れて参ります。
私も生徒さんたちに、どのように伝えれば分かりやすいのかを更に追求していきます。
配布したプリントは取り組めましたか?分からないことや疑問点があったらなんでも聞いてくださいね。
そして、目先の発表会に向けて頑張りましょう。練習方法などを詳しくお伝えしております。ご家庭でもこの機会に毎日練習することを習慣付けてください。
講師 増谷
12年ロンドン、16年リオデジャネイロ、今年3度目の東京です!
当教室のピアノコース幼児時期にご入会されました。
私は公介君と呼んでいました。
公介君はとても礼儀正しく、お母様はレッスン室の端で遠くから見守って下さり、
レッスンで身体ふらふらとして集中が途切れそうな時、お母様が公介!と一言。その一言でかわいい公介君はしっかりとレッスンを受けることが出来ました。お母様は愛情いっぱいにお育てになっており、その二人の姿が昨日のように浮かんできます。
途中転勤で離れてしまいましたが、栃木に戻った時には、すぐ再入会をされました。
その頃はピアノが終わったら真っ直ぐ水泳の練習会場に向かっておりました。
忙しい中でも、水泳の先生にピアノは水泳に役に立つと言われ頑張っておりました。
公介君のピアノは、フレージングがとてもきれいで、空間認知力が高く、部屋に響いた音を聴いて、空間の音を感じ演奏していました。音がきれいで演奏が美しかったです。
水泳の先生のおっしゃる通りだと思います。曲の仕上げ方はどこで一番表現を訴えたいのか、また練習も毎日コツコツとの積み上げです。素直な公介君は心と共に成長されていきました。
間もなく予選が始まります!公介君、遠くから応援しています!
こんにちは。
4月に行われたグループレッスンの高学年クラスでは、テンポについて取り上げました。
そこで「メトロノームはベートーヴェンが初めて使い始めた」とお話したのを覚えているでしょうか。
1816年にヨハン・ネポームク・メルツェルがメトロノームを発表しました。その後、音楽家で最初に使い始めたのがベートーヴェンだったのですね。
先日、ベートーヴェンに関する文献を読んでいたところ、メトロノームにまつわる彼の発言があったので紹介します。
「アレグロ、アンダンテ、アダージョ、プレストという無意味な呼称は止めたいと、ずっと以前から思っていました。メルツェルのメトロノームがそのための最良の機会を与えてくれました。」
アレグロなどの速度用語は、元来速度用語として作られた言葉ではなく、ごく普通のイタリア語として使われていました。例えばアレグロは、“陽気な”、アンダンテは“平凡な”などです。このように抽象的な意味ではなく、はっきりとした速さを示したいとベートーヴェンは考えたのでしょう。彼はメトロノームに対して、非常に興味関心を持ち、積極的に使用したと考えられます。
また、このようにも述べています。
「我々の世紀ではこうしたメトロノームによる速度の表示は確かに必要です。ベルリンからの手紙でも、交響曲の初演は熱狂的な喝采を受けたとのことです。私はその演奏の際、ほとんど全体にわたってメトロノームの速度の指示をしていました。演奏で最初のテンポをずっと維持してはいけません。」
”交響曲の初演”は、第9番のことを指しています。おそらく、全員が同じテンポ感を持ち、拍子感のある演奏がされたのでしょう。そしてその他の全交響曲にも、彼自身がメトロノーム表示をつけたと言われています。
しかし、ピアノ作品にはメトロノーム表示が見られません。例えばピアノ・ソナタ第30番は、速度用語は細かく書かれているにも関わらず、メトロノームによるテンポ設定はされていません。私は、後期ソナタは大きく精神や感情が密接に関わっている音楽だと考えます。そのため、テンポ設定をしてしまうと機械的になってしまう、テンポだけでは伝えられない奥深い部分の音楽が多かったから、あえて設定しなかったのではないでしょうか(この件について安易に答えを出してはいけない気がしますが…)。
話が逸れてしまいましたが、テンポに関して伝えたいことがあります。日頃のレッスンで、基準のテンポを持たずに演奏したり、リズム打ちをされている場面を多く見ます。しっかり自分の中でテンポを持って取り組みましょうね。
参考文献
2020 野口 剛夫『ベートーヴェンは怒っている! 闘う音楽家の言葉』(アルファベータブックス)
渡辺 裕『ベートーヴェンのメトロノーム記号が語るもの ーーテンポの「近代化」の中の作曲家ーー』
講師 増谷
こんにちは。
「効率」という言葉をよく耳にしますが、なかなか効率よく練習や勉強をするのは難しいのではないでしょうか。例えば、ただ通すだけの練習は「効率の良い練習」とは言えませんよね。皆さんにも片手ずつ練習してみたり、色々なテンポで練習してみたり、工夫して一曲を仕上げていってほしいと感じます。
さて、私は仕事の効率をあげるために、録音用のマイクを入手しました!
コロナ禍に伴って、主にソルフェージュにまつわる動画を作成することが多くなりました。今まではスマートフォンで音源を録音していたのですが、ミスをしたり精密さに欠けるともう1度録り直し...。意外と時間がかかるのですよね。しかし、マイクは途中から録り直ししても違和感なく繋げられ、音の拾い方も均等なのです(スマホは低音が聴こえにくくなってしまい…)。機械の進化はすごいなぁと関心しました!
今後は手間をかけること、そして効率良く作業すること、これらを共存させていきたいものです。
発表会の曲も徐々に決まりつつあります。学校の宿題や他の習い事などで忙しい中、効率良く進めていってくださいね。
講師 増谷